そのまま住み続ける家に居住用財産の3000万円控除の適用はあるか?

Q 居住用財産の3000万円控除の特例を受けるにあたって、その家屋に住み続けた場合、特例の要件上何か問題はないでしょうか?あるいは、たとえば、家を売ってから半年ほどそこに住み続けた後、新たに別の家を購入して引っ越しした場合にも適用があるのでしょうか?

A 配偶者及び直系血族以外の親族に譲渡した場合で、譲渡者とその親族がその家屋に同居する場合は3000万円控除の適用はありませんが、それ以外で3000万円控除の適用要件を満たすのであれば居住非継続は特に求められていないと解されます。

【解説】

第三者や別生計親族に居住用財産を譲渡して、3000万円控除の要件を満たす場合、その後の居住要件については特に定めはありませんので、それ以後に買受けた相手先に賃貸料を支払うようなケースでも問題はないと考えられます。

→「これらの家屋が当該個人の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にした場合」と矛盾しないか?

では、条文を確認しましょう。


■措法35①

個人が、

その居住の用に供している家屋で政令で定めるものの譲渡若しくは当該家屋とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡をした場合

又は

災害により滅失した当該家屋の敷地の用に供されていた土地若しくは当該土地の上に存する権利の譲渡若しくは当該家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものの譲渡若しくは当該家屋で当該個人の居住の用に供されなくなつたものとともにするその敷地の用に供されている土地若しくは当該土地の上に有する権利の譲渡を、これらの家屋が当該個人の居住の用に供されなくなつた日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にした場合

には、当該個人がその年の前年又は前々年において既にこの項又は第36条の2、第36条の5、第41条の5若しくは第41条の5の2の規定の適用を受けている場合を除き、これらの全部の資産の譲渡に対する第31条又は第32条の規定の適用については、次に定めるところによる。


「又は」以下は、災害により家屋が滅失した場合のことなので、ここはさておき、「又は」の前段ですね。

ざくっと訳すと、「住んでいる家を売った場合」と読めます。「住んでいた」ではなく「住んでいる(居住の用に供している)なので、「引っ越し」したかどうかは問われていないと解釈できます。

また、武田昌輔『コンメンタール所得税法』(第一法規)によれば、

「譲受者の親族(常に譲渡者の特殊関係者に該当する配偶者及び直系血族並びに居住用家屋の譲渡の時において譲渡者と生計を一にしている親族を除く。)に対する居住用財産の譲渡であっても、その居住用財産を譲渡した後、その親族及び譲渡者の両方又はいずれか一方が、その居住用家屋に居住しない場合には、その譲渡は特殊関係者に対する譲渡には該当しないから、その譲渡所得については、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例の適用が受けられることになる。」

これは、譲渡先が制限されている条項の解説です。

たとえば、別生計の親族(自分の兄弟とか)に譲渡したのち、その親族と同居した場合には3000万円控除の適用がない、という意味ですが、ということは、「一緒に住まなければOK」→「譲渡者が住み続けるのもOK」ということです。

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