同一年中に居住用財産を2回譲渡した場合(3000万円控除)

国税庁質疑応答事例「同一年中に居住用財産を2回譲渡した場合」によると、

Q「甲は、現に居住しているA住宅を売却し(長期譲渡所得)、同年中にB住宅を取得して直ちに居住の用に供しました。しかし、同年中にそのB住宅を売却しました(短期譲渡所得)。
A・B双方の譲渡所得を居住用財産の譲渡として、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例を適用してよろしいですか。」

A「A・B双方が居住用財産といえるものであれば、照会意見のとおりで差し支えありません。ただし、控除額は3,000万円が限度となります。」

とのことです。
つまり、居宅Aに住んでる→Aを売却→居宅Bに引っ越し→居宅Bを売却、というような場合には、同一年中であればA,Bともに3000万円控除可能です(ただし、控除額のMAX=3000万円)。

一方で、

■措通31の3-2 居住用家屋の範囲
措置法第31条の3第2項に規定する「その居住の用に供している家屋」とは、その者が生活の拠点として利用している家屋(一時的な利用を目的とする家屋を除く。)をいい、これに該当するかどうかは、その者及び配偶者等(社会通念に照らしその者と同居することが通常であると認められる配偶者その他の者をいう。以下この項において同じ。)の日常生活の状況、その家屋への入居目的、その家屋の構造及び設備の状況その他の事情を総合勘案して判定する。この場合、この判定に当たっては、次の点に留意する。

(1) 転勤、転地療養等の事情のため、配偶者等と離れ単身で他に起居している場合であっても、当該事情が解消したときは当該配偶者等と起居を共にすることとなると認められるときは、当該配偶者等が居住の用に供している家屋は、その者にとっても、その居住の用に供している家屋に該当する。
(注) これにより、その者が、その居住の用に供している家屋を2以上所有することとなる場合には、措置法令第20条の3第2項の規定により、その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋のみが、措置法第31条の3第1項の規定の対象となる家屋に該当することに留意する。

(2) 次に掲げるような家屋は、その居住の用に供している家屋には該当しない。

イ 措置法第31条の3第1項の規定の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋、その居住の用に供するための家屋の新築期間中だけの仮住いである家屋その他一時的な目的で入居したと認められる家屋
(注) 譲渡した家屋に居住していた期間が短期間であっても、当該家屋への入居目的が一時的なものでない場合には、当該家屋は上記に掲げる家屋には該当しない。

ロ 主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で有する家屋

措通35-6によれば、措法35(3000万円控除)の適用については、措通31の3-2等を準用するとのことなので、上記通達は3000万円控除の適用においてもあてはまるというこよになります。

ここで、上記(2)イの要件に注目します。

 すると、国税庁質疑応答事例「同一年中に居住用財産を2回譲渡した場合」では、当然に2つめの居宅への入居は「一時的」でないということになります。イメージとしては、「そのままずっと住むつもりだったけど転勤で仕方なく売却した」という感じでしょう。措通31の3-2でいうところの、(2)イ(注)書きが、まさにそういったことを想定しているのでしょう。単に、3000万円控除の適用を受けるためだけに入居したのでは、ないと。

 じゃあ、こんな場合はどうなるのか?

【Q】同じマンションの棟内で隣どうしの区分所有部分を2つ(A,B)所有していて、Aは主に妻と子供たちの部屋、Bは夫の部屋として利用、食事はAでみんなで食べる、子供たちはBでもよく遊ぶ、という風にどちらも同じ頻度で使用しているような場合。このA,Bを同時に売却した場合の3000万円控除の適用は??

 これの答えは、

■措令20条の3 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
2  法第31条の3第2項第1号に規定する政令で定める家屋は、個人がその居住の用に供している家屋(当該家屋のうちにその居住の用以外の用に供している部分があるときは、その居住の用に供している部分に限る。以下この項において同じ。)とし、その者がその居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供していると認められる一の家屋に限るものとする。
■措令23条 居住用財産の譲渡所得の特別控除
 第20条の3第2項の規定は、法第35条第2項第1号に規定する政令で定める家屋について準用する。

なので、2ついっぺんに売った場合は、どちらか1つ「主として」居住用のもののみ3000万円控除の対象ということです。

が、上の【Q】のように、常にどちらも同じように使用している場合はどうなるのでしょうか?【Q】の場合は、いわば一戸建ての内部を行き来しているのと限りなく同様のケースと思われますので判断に悩むところです。

じゃあ、【Q】の人が、国税庁質疑応答事例「同一年中に居住用財産を2回譲渡した場合」で見たように、居宅Aに住んでる→Aを売却→居宅Bに引っ越し→居宅Bを売却、とした場合はA,Bともに3000万円控除の対象となるのでしょうか?【Q】のように両隣で所有しているというケースはまれかもしれませんが(わたしは実務で一度経験あります)、同じ棟内で複数の区分所有部分を所有しているケースはたくさんあると思います。

特にオチはありませんが(というか仮定の話なので答えはでないのですが)、問題提起をしてみました。

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