居住用財産の3000万円控除と住宅借入金等特別控除を重複適用して申告した場合

Q 居住用財産の3000万円控除と住宅借入金等特別控除について、両規定を重複適用できないとは知らずに確定申告してしまいました。どうすれば良いでしょうか?

A 居住用財産の3000万円控除や特定の居住用財産の買換えの特例の条文には住宅借入金等特別控除との重複適用を排除する規定はなく、住宅借入金等特別控除の条文には居住用財産の3000万円控除との重複を排除する規定があります。従いまして、居住年に誤って両方の規定を適用して申告・納付した場合、居住用財産の3000万円控除が優先的に適用されます。

【解説】
■措法41 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
15 第1項の規定は、居住者が、同項の居住用家屋若しくは既存住宅若しくは増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分又は第10項の認定住宅をその居住の用に供した日の属する年分の所得税について第31条の3、第35条、第36条の2、第36条の5若しくは第37条の5の規定の適用を受ける場合又はその居住の用に供した日の属する年の前年分若しくは前々年分の所得税についてこれらの規定の適用を受けている場合には、当該居住者の第1項に規定する10年間の各年分の所得税については、適用しない。

このように、住宅借入金等特別控除の条文では3000万円控除との重複適用できないと明記されています。しかし、3000万円控除の条文には住宅借入金等特別控除との重複適用についてはなんら言及されていません。

■措法35の2
・・・、その者がその年中にその譲渡をした土地等の全部又は一部につき第33条から第33条の3まで、第36条の2、第36条の5、第37条、第37条の4、第37条の7又は第37条の9の4の規定の適用を受ける場合を除き、・・・

つまり、3000万円控除>住宅借入金等特別控除、3000万円控除の方が勝つのです!!

いわゆる「義務的修正申告」の規定(措法41の3①)。
■措法41の3 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の適用を受けた者が居住用財産に係る課税の特例を受ける場合の修正申告等
第41条第16項に規定する資産の譲渡をした居住者で同項の規定に該当することとなつた者が当該譲渡をした日の属する年の前年分又は前々年分の所得税につき同条第1項又は前条第1項の規定の適用を受けている場合には、その者は、当該譲渡をした日の属する年分の所得税の確定申告期限までに、当該前年分又は前々年分の所得税についての修正申告書(同条第4項第2号又は所得税法第121条の規定により確定申告書を提出していない者にあつては、期限後申告書)を提出し、かつ、当該期限内にこれらの申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。

■国税庁質疑応答事例「居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例等の適用を受ける場合の修正申告」
【照会要旨】
住宅借入金等特別控除の適用を受けた者が、その後、その対象とした家屋の前に居住の用に供していた家屋及び土地等を譲渡し、居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例等の適用を受ける場合には、過去に遡及して住宅借入金等特別控除の適用ができなくなると思われますが、その場合の手続はどうするのですか。
【回答要旨】
一定の資産を譲渡したことにより、次の①からに掲げるいずれかの特例の適用を受ける場合において、その資産を譲渡した年の前年分又は前々年分の所得税について住宅借入金等特別控除を受けているときは、その譲渡した日の属する年分の確定申告期限までに、その前年分又は前々年分の所得税について修正申告書又は期限後申告書を提出し、その住宅借入金等特別控除の額に相当する税額を納付しなければならないこととされています(租税特別措置法第41条の3第1項)。
①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第31条の3)
②居住用財産の譲渡所得の特別控除(租税特別措置法第35条)
③特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第36条の2)
④特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第36条の5)
⑤既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第37条の5)
⑥認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合の譲渡所得の課税の特例(旧租税特別措置法第37条の9の2)

税理士+7906 日目 since 2000/2/24  大阪市西区の税理士、櫻井圭一です。

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