よく、どのような状況になれば消費税の納税額が最も低くなるか、というような趣旨のご質問を受けることがありますが、答えは「わかりません」です。
仕入税額が全額控除できるような場合は、課税期間末日までのおおよその取引の概要が判明しているのであればそうでもないのですが、不動産の購入・売却が1つ入るだけで、納税額は相当変動します。
課税売上 x
非課税売上 y
仮払消費税額 z
消費税率 10%(※軽減税率取引は無視します)
このとき、一括比例配分方式だとして、納税額Tは、
T=x*10%-z*(x/x+y)
ここまでは誰でもわかります。
で、この自由に動く変数x,y,zの一定範囲内(たとえば、課税売上が3億円以下で非課税売上が5億円以下、仮払消費税額が6千万円以下等)でのTの最大値or最小値を求めよ、とこの問題を解くことになるのでしょうが、そんなもんできるか💢ということです。
でも頭の良い人はできるのでしょうね。私には無理です。
変数が3つなので、おそらく偏微分を使うのだろうことまではなんとなく想像できるのですが、
仮に、理論的な極大・極小値が存在するとして、課税期間末日までにそのようなx,y,zにどうやってもっていくのか❓たぶん、すごく変な立体的なグラフになるのでしょうが、だれがそれを理解できるのか❓どうやって説明するのか❓
また、上記算式は軽減税率や旧税率を完全に無視していますし、調整対象固定資産の存在も無視しています。調整対象固定資産を考慮すれば、上記算式を3年分作って、ってことになるので、変数はx1,x2,x3,y1,y2,y3,z1,z2,z3に加えて調整対象固定資産に係る消費税額β1,β2,β3,となり、そんなもんできるか💢です。
第一年度に納税額が最小値であったとしても、第三年度で調整が入るとトータルでみればひっくりかえることもあるでしょう。また、その逆もありえます。
でも日本は広いので、だれかこの問いに対する解をだせる人もいるのでしょう。