「市街地価格指数」について

譲渡所得の計算に用いられる「市街地価格指数」について、まじめに考えます。

まず、条文です。

 所法33③
譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。

さて、この「取得費」が不明な場合、一般的には、


このいわゆる「概算取得費」を用いることと思われます。

この点、たとえば私が愛用している「不動産税制の手引き」(不動産流通推進センター)によると、

 (注)取得費が不明な場合、他に合理的と認められる方法があれば、その方法により算定した金額とすることができます。(令和3年度版156頁)

となっています。

このような、エビデンスがないものの控除が認められる根拠は何なのでしょうか❓
実例をひとつ挙げます。

ここで、税務署側はこのように主張しています。
 本件物件の取得費については、請求人からその取得に要した費用を明確にする資料の提出はなく、また、原処分の調査(以下「本件調査」という。)によっても実際に要した費用を明らかにできなかったことから、合理的な算定方法によらざるを得ない。
ところで、土地と建物を一括して譲渡し、そのいずれの取得価額も不明である場合の土地・建物の取得費を算定する方法には、
〔1〕租税特別措置法(以下「措置法」という。)第31条の4《長期譲渡所得の概算取得費控除》を適用する方法、
〔2〕土地の取得価額は土地の取得時の売買実例から算定し、建物の取得価額は譲渡価額の総額から土地の譲渡時の売買実例価格を差し引いて算出された建物の譲渡価額から減価償却費を控除する方法、
〔3〕土地と建物の固定資産税評価額を基に算定する方法及び
〔4〕建物の取得価額を着工建築物構造別単価(別紙1)(以下「建築物単価」という。)から算定し、土地については市街地価格指数(別紙2)を基に算定する方法などが考えられる。
として、結局〔4〕がもっとも合理的という結論を出します。

問題は、証拠がない場合「合理的な算定方法によらざるを得ない」とすることが許される実体法上の根拠はなにか❓ということです。

To be continued…….

税理士+7906 日目 since 2000/2/24  大阪市西区の税理士、櫻井圭一です。

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